SPECIAL MOVIE
静かなヒーロー 前編

静かなヒーロー 後編
CREDIT

堀部 圭亮ほりべ けいすけ
警備員 コウジ役
東京都出身。映画『ナミビアの砂漠』、連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』『虎に翼』、EX『フォレスト』、舞台『千と千尋の神隠し』など最新出演作舞台「エドモン」が4月7日より公演を控える。幅広いジャンルで活躍。

前原 滉まえはら こう
画家 テツヤ役
宮城県出身。ジャンル問わず幅広く活躍。近年では、ドラマNHKテレビ小説『らんまん』EX『スカイキャッスル』CX『119エマージェンシーコール』や、映画『ありきたりな言葉じゃなくて』、『アンダーニンジャ』など。また出演している映画『沈黙の艦隊
北極海大海戦』の公開が控える。

小林 桃子こばやし ももこ
美術館受付 (コウジの娘)
ユウコ役
東京都出身。2023年『亀も、青春は短い』で初出演後、NHKBS1『ケーキの切れない飛行少年たち』の主演を務める。KTV『GTOリバイバル』TX『RoOT/ルート』など。注目の若手俳優。

手塚 真生てづか まい
警備員 (コウジの後輩)
ハヤミ役
東京都出身。大河ドラマ『晴天を衝け』連続テレビ小説『ちむどんどん』NTV『私をもらって』シリーズなど、ドラマや広告など活躍。趣味は万年筆で手紙を書くこと。
INTERVIEW

静かなる誇りを持つ人々
――警備業の奥深さ
華やかな舞台の裏側で、私たちの日常を静かに支えている職業がある。警備員――その存在は、多くの人にとって当たり前のように映るかもしれない。しかし、彼らの仕事には、目に見えない努力と誇りが詰まっている。
警備員のイメージと現実
「警備員をしていると言うと、恋人の親が良い顔をしないことがある、と聞いたことがあります。」インタビュアーのこの言葉に、私たちは考えさせられる。警備業は「リタイア後の仕事」「事件の脇役」といった固定観念に縛られがちだ。しかし、本当にそうなのだろうか?堀部さんは、自身の経験を振り返る。「映画やドラマで警備員が活躍することって、ほとんどないですよね。むしろ事件に巻き込まれる役が多い。」

優雅な警備員との出会い
そんな中、堀部さんが印象的な警備員に出会った。「工事現場で交通誘導をしていた警備員が、とてもエレガントだったんです。身のこなしが優雅で、誘導灯の振り方も美しかった。普段なら『止まれ』と指示されると、少しイラッとすることもあるのに、その人には自然と従いたくなったんですよね。」このように、ただの作業ではなく、所作の美しさが人々の印象を変えることもある。彼の姿が忘れられず、後日感謝を伝えようと思ったものの、結局その機会を逃してしまったという。「知人にその話をしたら、『感謝は伝えるべきだ』と言われました。確かに、あの時伝えていたら、何かが変わったかもしれない。」
縁の下の力持ちか、最前線の戦士か?
警備員といえば「縁の下の力持ち」という言葉が浮かぶ。しかし、もう一つの見方がある。「彼らはむしろ最前線の戦士なのではないか?」 俳優の前原さんは、警備業をこう語る。「撮影現場でも、施設の入口でも、警備員の方がいることで安心感があります。でも、それだけじゃなく、何を見て、何を意識しているのかを知ると、すごく奥深い仕事だと感じました。」また、警備員は単なる「監視役」ではなく、社会の安全を維持する最前線にいるという考えもある。「119番する前に、警備員が問題を発見して対処していることも多いんです。」事故や犯罪が起こる前に異変を察知し、防ぐ。その姿はまさに「社会の盾」だ。


「未然に防ぐ」ことの意味
興味深いエピソードも聞くことができた。元々、万引きGメンとして働いていた方が、警備の仕事に転職した理由を語った。「万引きを取り締まる仕事を10年やっていました。でも、捕まえた子の人生を狂わせることになるのが辛かったんです。」そこで彼が選んだのが、「未然に防ぐ」仕事としての警備だった。「問題が起こる前に、環境を整え、注意を促し、犯罪や事故を防ぐ。それが本当の警備の役割な んです。」この言葉が示すように、警備員は単なる見張り役ではなく、社会を未然に守る重要な存在なのだ。
子どもたちが憧れる職業に
「警察官には憧れる子どもが多いのに、警備員にはあまり憧れない。どうしたら警備員が憧れの職業になるのか。」この問いかけに対し、堀部さんはこう答えた。「今回指導に入ってくださった方は、私服で立っているだけでも目を引くような存在感がありました。立ち姿が整っていると、それだけで人の目を引くんですよね。」警備業が単なる「監視」や「誘導」ではなく、社会の安全を支えるプロフェッショナルな仕事であることがもっと認知されれば、子どもたちの憧れの職業になる可能性は十分にある。

まとめ:警備員という誇り
「警備員は、誰も気に留めないところで、静かに社会を支えている。でも、その『誰も気に留めない』が成立しているのは、警備員がしっかり働いているからなんですよね。」(堀部さん)この言葉が、警備業の本質を端的に表している。「何もない」を作る仕事――それこそが、警備員 の役割なのだ。警備員という仕事には、確かに光が当たりにくい。しかし、それでも誇りを持って働く人がいる。彼らの姿を見つめ直すことで、私たちは社会の見えない支えに気づくことができるのではないだろうか。今度、警備員の姿を見かけたら、ぜひ一度、彼らの仕事に思いを馳せてみてほしい。
JOB CASES
警備員のお仕事は大きく4つに分類されます。
それぞれの業務の特徴をご紹介します。



